メタボと糖尿病の常識を疑え!

「太るのは良くない」と言われ、みんな痩せるために必死になっています。

しかし、「痩せすぎの弊害」については誰も考えません。

実は、肥満より痩せすぎのほうが深刻なのです。痩せすぎによって、筋力も活力も体温も免疫力も骨量もすべて低下するからです。高齢者は、寝たきりになるリスクも死亡率も高まります。若い女性は、生理不順や不妊症になります。

つまり、痩せすぎると生命力が低下して、虚弱になるのです。

 

筋肉量が減少する弊害

痩せすぎの人は、筋肉量が少ないのです。筋肉が少ないと体重を支える力が弱いので、良い姿勢を維持することはできず、腰痛や膝痛、首痛や肩コリなどが慢性化します。また足腰が弱くなると転びやすくなり、転ぶことで腕や大腿骨を骨折したり、脳にダメージを受けたりして、寝たきりになってしまうことが多いです。

筋肉量が減れば骨量も減りますから、骨粗鬆症になって圧迫骨折をおこしやすくなります。圧迫骨折というのは、腰椎や胸椎がグシャッとつぶれてしまうことです。圧迫骨折をおこすと約4ヶ月は激痛で起き上がることも困難になり、ほとんど歩けなくなります。すると痛みが治まるまでに、さらに筋肉と骨量が減ってしまいます。また、痛みがなくなっても、つぶれてしまった骨は元には戻りませんから、背骨が前傾して猫背になり、身長が4~5センチ低くなります。

筋肉は体温の大半をつくっていますから、筋肉が少ないと低体温になり、冷え性になります。そして、冷えによって関節炎や神経痛が悪化します。体温が1℃下がると、免疫力がおよそ5分の1に低下しますから、感染症やガンに罹りやすくなります。

また、筋肉はブドウ糖を貯蔵するタンクでもあります。筋肉が減るほど、ブドウ糖を貯えられる量が少なくなります。すると食後に高血糖になり、糖尿病になるリスクが高くなります。

さらに、筋肉は体水分の約6割を保持しています。ですから筋肉が減ると、いくら水分を補給しても水を蓄えることができません。だから、熱中症になりやすいのです。また体水分が減ればお肌がカサカサになり、張りや潤いがなくなります。すると、痒みや湿疹が出やすくなり、シワやほうれい線が目立つようになって「老け顔」になります。

そしてさらに、筋肉量が減るとうつ病や認知症のリスクも高くなります。

脳の神経細胞は、どんどん死滅して減っていく一方で、新たにつくられてもいます。新たにつくられる細胞よりも死滅していく細胞が上回ると、うつ病になり、いずれ認知症になってしまいます。ですから、新たな神経細胞をつくる力を高めることが重要です。

脳の新しい神経細胞をつくっているのは、「海馬」です。運動すると筋肉から何種類もの生理活性物質(マイオカイン)が放出されて、それによって海馬からBDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌されて、新しい神経細胞が生み出されていくのです。ところが筋肉が減って運動量が減ると、海馬からBDNFが分泌されなくなるため、脳の神経細胞が減る一方になってしまいます。その結果、うつ病や認知症になってしまうのです。

うつ病の典型的な症状に、不眠と食欲低下があります。夜中に何度も目が覚めてしまうために昼間は頭がボーっとしていて、何かをしようとか外出しようという意欲がなくなり、食事をつくることも面倒になり、食欲がなくなることでさらに痩せ細っていきます。その結果、身体がだるいとか腰や背骨が痛いとか便秘などといった症状も現れてきます。

筋肉が減ると、身体のあらゆる機能が衰えて虚弱になってしまうのです。

 

なぜ筋肉が減ってしまうのか?

身体のあらゆる機能を健全に保つためにきわめて重要な筋肉が減ってしまうのは、なぜでしょうか?

筋肉が減る最大の理由は、『食事量が少ない』ことです。

とりわけ、『ごはんの摂取量が少ない』と確実に筋肉が減っていきます。

いくら肉や卵などタンパク質を摂っても、ごはんが少ないと筋肉が減ってしまうのです。

なぜか分かりますか?

ごはんを少ししか食べないと、すぐに低血糖になります。

すると脳のエネルギーが不足して、脳の機能が正常に保てなくなります。

そのため身体は、どうにかしてブドウ糖を脳に送ろうとします。どうするのかというと、筋肉を分解してタンパク質からブドウ糖をつくり出すのです。これを「糖新生」といいます。つまり筋肉を犠牲にして、脳の機能を維持するのです。

こうして糖新生を続けていると、どんどん筋肉が減っていきます。

まず、脚の筋肉から減っていきます。すると足腰が弱くなり、腰痛や膝痛になり、徐々に腰椎や膝が変形していきます。

次に、肩や胸の筋肉が減っていきます。すると首や肩のコリや痛みに悩まされるようになり、五十肩や腕の神経痛にもなりやすくなります。

最後に、ヒップの筋肉が減ります。するとイスから立ち上がることも困難になり、じきに車椅子生活になります。

ごはんを少ししか食べないでいると、どんどん筋肉が減っていき、悲惨な状態になってしまうのです。糖質制限とか1日1食などをしていると、間違いなくこうなります。

 

筋肉が減る理由で次に多いのは、『野菜中心の食生活』です。

一般に「野菜が多い食事が健康的」と言われていますが、野菜なんかいくら食べても筋肉も骨量も増えません。野菜でお腹がいっぱいになれば、筋肉や骨量を維持するために必要な栄養を十分に摂れなくなります。つまり野菜が多い食事をしていると栄養失調になり、筋肉や骨量が減っていくのです。

また、野菜が多い食生活をしている人たちは、豆類やイモ類、キノコなどもたくさん食べています。こうして食物繊維をたくさん摂ると、腸内で発酵してガスがたくさん発生します。するとお腹が膨満して、腹痛や便秘や下痢などといった症状に悩まされることになります。また横行結腸が膨満することによって胃が圧迫されて、胃酸が逆流したりゲップが出たりするようになります。すると必然的に食事量が減って、栄養が十分に摂れなくなります。その結果、筋肉が減ってしまいます。

 

筋肉を維持するには、タンパク質もしっかり摂る必要があります。しかし大豆食品をたくさん摂っていると、タンパク質が不足しやすくなります。

大豆にはタンパク質の消化を阻害する成分(トリプシン・インヒビター)も含まれているからです。ですから豆腐や厚揚げ、枝豆や煮豆などをたくさん食べていると、肉や魚や卵などに含まれるタンパク質の消化・吸収も悪くなって、タンパク質不足になってしまいます。そしてタンパク質が不足すると、貧血になり、筋肉が減っていき、代謝も悪くなります。代謝には酵素が必要ですが、酵素はタンパク質からつくられますから、タンパク質が足りないと酵素が十分につくれなくなり代謝が悪くなるのです。

また大豆には、リーキーガットの原因となる植物毒「レクチン」をはじめ、甲状腺腫を誘発するゴイトリン、炎症を悪化させるリノール酸なども含まれていますから、決してヘルシーな食品ではないのです。

タンパク質は、肉や魚や卵などといった動物性食品から摂るほうが実は良いのです。

 

ごはんが少なく野菜が多い食事では、すぐにお腹がすいて疲れてしまいます。すると、甘いものが猛烈に欲しくなります。そして、砂糖がたっぷり含まれたスイーツを食べたり、果糖ブドウ糖液糖が含まれた甘いドリンクを飲んだりするのです。砂糖はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結合した糖ですから、半分は果糖です。

腸から吸収された果糖は、肝臓で100%中性脂肪に変えられます。それによって、高脂血症や脂肪肝になります。するとインスリン抵抗性が上がって、血液中のブドウ糖が細胞に入りにくくなるため、高血糖になります。

高血糖になると、身体はインスリンをさらに分泌して血糖を下げようとします。すると「低血糖」になってしまいます。

低血糖になると、猛烈なだるさや眠気、悪寒や脱力感、思考力の低下や頭痛、めまいや精神的イライラなどといった症状が現れ、また甘いものが欲しくなります。こうして、砂糖をまた摂ることに…!そして果糖が中性脂肪になって、インスリン抵抗性を上げていくという悪循環に陥ります。

こうして高血糖と低血糖をくり返していると、自律神経のバランスが狂って「自律神経失調症」になります。すると胃腸の働きが悪くなって、「消化力」が低下します。その結果、栄養が十分に摂れなくなって、栄養失調で筋肉が減っていきます。

 

胃がもたれて十分に食べられないという人は、『胆汁が少ない』のかもしれません。

肝機能の低下や胆石などによって胆汁が十分に分泌されなくなると、胃酸が減って、ぜん動も止まってしまうからです。そのため、胃がもたれたり重苦しくなったりするのです。

なぜ、胆汁が減ると胃の働きが弱くなるのか?については、前回のブログ「胃弱は胆汁酸で治る!」で詳しく解説していますので、ここでは省きます。

胆汁の減少によって胃の機能が低下すると、食欲が低下して食事量が少なくなるため、栄養が十分に摂れなくなって筋肉が減っていきます。

 

要するに筋肉が減っていくのは、栄養が足りないからなのです。とくにブドウ糖とタンパク質をしっかり摂ることが、筋肉を維持するために大事なのです。ブドウ糖やタンパク質の摂取量が足りないか、食べてはいても消化が悪くてあまり吸収されていないと、筋肉は減っていくのです。

摂取量が足りない根底には、胃腸の弱さもありますが、もっと根深い問題があります。それは「痩せているほうが健康的」という思い込みです。

 

ちょっと太めが一番長生きできる!

「BMIが25を超えると危険」と言われていますが、実は違います!

40歳以上の日本人35万人の調査データから、健康で長生きしている人たちの体重は、BMIが24~27であることが明らかになっています。

宮城県で5万人を対象にした大規模調査でも、BMI25~30の人は、やせ型の人より6~8年長く生きることが明らかになり、ちょっと太めのほうが長生きできることが証明されました。

日本だけでなく世界中のあらゆるデータで、「ちょっと太めが一番長生きする」という結果が出ています。

反対に、BMIが18を切ると死亡率が50%も上がります

1980年代に、カーペンターズのカレンさんが拒食症で亡くなりました。その後、痩せすぎのモデルたちが続々と死亡しました。

2006年8月2日、22歳のウルグアイ出身のトップモデル、ルイゼイ・ラモスさんがファッションショーに出演して、キャットウォークを歩いた後に気分が悪くなり、控室で死亡しました。BMIは14.5でした。

その半年後、同じくモデルでルイゼイさんの妹のエリアナ・ラモスさんも、摂食障害によって18歳で死亡しました。

痩せすぎモデルの死亡が相次ぎ、痩せすぎによる心身への悪影響が明らかになり、欧米各国は痩せすぎモデルの規制を始めました。

2006年、イタリア政府は、BMI18.5以下と16歳未満のモデルを規制しました。

スペイン政府は、BMI18以下のファッションモデルのファッションショー出場を禁止しました。

2012年、イスラエルが、BMI18.5以下のファッションモデルのファッションショーと広告への出演を禁止する法律を制定しました。

フランスでは4万人が拒食症、そのうち9割が女性です。2017年、「極端に痩せているモデルは活動禁止」という法律が施行されました。

このように世界では、「痩せすぎをなくそう」としているのに、日本では相変わらず「痩せているほうが良い」と信じている人たちがたくさんいます。

体脂肪率は、低ければ低いほどよいわけではありません。体脂肪が10%以下になると、免疫力が低下して感染しやすくなります。また女性は、体脂肪が15%を切ると生理が来なくなります。体脂肪が減りすぎると冷えやすくなり、疲れやすくなり、シワが増えて老けてしまい、寝たきりやうつ病や認知症になりやすくなり、寿命も短くなってしまうのです。

また中性脂肪も、低すぎると活力が低下しますし、体温調節もうまくできなくなります。中性脂肪は活動エネルギー源であり、寒さや暑さから身体を守る断熱材でもあるからです。

 

コレステロール値を下げてはいけない!

LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれて、下げようとしている人たちがたくさんいます。しかし下げるのは逆効果で、生命力を低下させて虚弱になってしまいます。

脂質の研究者たちは、「LDLコレステロールが高いほうが健康で長生きできる」ことを証明しています。

LDLコレステロールから、次のようなものがつくられます。

  • 神経細胞やミエリン(神経の被膜)
  • 細胞膜(筋肉や骨量を増やすために不可欠)
  • 副腎皮質ホルモン(炎症を治すために不可欠)
  • 男性ホルモン・女性ホルモン(睡眠にも不可欠)

LDLが少なくなると、神経のダメージも、筋肉の損傷も、痛みや腫れも治りにくくなります。性ホルモンが減ると、若さと意欲がなくなります。また性ホルモンから睡眠物質がつくられますから、性ホルモンが減れば不眠になり、疲れが取れなくなります。

LDLが高いということは、神経や筋肉がダメージを受けている箇所が多かったり、身体のどこかに炎症があったりするために、補修材料がたくさん必要ということです。治さなければいけないところが多いから、肝臓が多くつくっているだけです。

LDLが多くても動脈硬化の原因にはならないことが、世界中の脂質研究によって証明されています。動脈硬化の原因となるのはコレステロールではなく、カルシウムです!

LDLが少ないと細胞膜や血管が脆くなるため、脳卒中のリスクも認知症になるリスクも高くなります。また筋肉ダメージも回復しにくいため、筋痛や神経痛も重症化しやすくなります。

さらにLDLは、セロトニンを脳に運ぶ役割も担っています。ですから、LDLが少ないと脳のセロトニンが減って、うつ病になりやすいのです。産後うつも、低コレステロールが原因です。

つまりコレステロールが少ないと、心身が虚弱になるのです。したがってコレステロールを下げる薬(スタチン剤)を飲み続けていると、神経も筋肉も血管も脆くなって、腰痛と坐骨神経痛がひどくなって歩けなくなったり、脳卒中や認知症になったり、筋肉が溶けてしまう難病(横紋筋融解症)になる恐れもあります。ですから、絶対にスタチン剤だけは飲まないほうがいいのです。コレステロール値を下げてはいけないのです。

コレステロールについては、『大豆毒が病気をつくる』(知道出版)のp55~64に詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

 

糖尿病の常識もウソだらけ!

目先の利益を追うと大事なものを失うことになるのは、糖尿病の治療でも同じです。

食後血糖値を下げるという目先の利益のために糖質を制限すると、筋肉と睡眠を失い、最後は脳の機能まで失ってしまいます。

糖質を制限して低血糖になると、筋肉を分解してタンパク質からブドウ糖を作り出して脳に送るからです。このような糖新生をくり返しているとどんどん筋肉が減っていき、足腰が弱くなって腰痛や膝痛に悩まされるようになります。

また、筋肉を分解するためにアドレナリンが出てきますから、夜眠れなくなります。すると頭がきちんと働かなくなり、意欲がなくなってうつ病になり、いずれは認知症になります。

ヘモグロビンA1cも6.2以下にしようとすると低血糖になり、心血管障害、うつ病、認知症になるリスクが高くなることが明らかになっています。そのため英国では2011年3月にNICE(国立最適保健医療研究所)の臨床ガイドラインが、ヘモグロビンA1cは7.5を目標にすると改定されて、低血糖にさせないように糖尿病治療が見直されました。

「野菜をたくさん食べれば糖尿病を防げる」というのもウソです。世界でもっとも野菜を多く食べている中国が、世界でもっとも糖尿病人口が多いのです。中国に次いで糖尿病人口が多いインドも、ヨガやヒンズー教の影響で菜食主義者が多いのです。人口比率でみても、両国とも糖尿病罹患率が高いです。野菜を多く食べている国々に糖尿病が多いのですから、野菜をたくさん食べても糖尿病は防げないことは明白です。

防げないどころか、糖尿病を誘発する野菜もあります。ホウレン草や小松菜、チンゲン菜や春菊や青汁などに含まれる「硝酸態窒素」は、胃内で発ガン性物質のニトロソアミンに変わって、胃ガンや大腸ガンの原因となります。また、すい臓のインスリンを分泌するβ細胞を破壊して糖尿病を引きおこします。

「豆が身体に良い」というのもウソです。豆には、リーキーガットを引きおこす植物毒のレクチンをはじめ、甲状腺腫を誘発するゴイトリン、タンパク質の消化を阻害するトリプシン・インヒビターなどが含まれているからです。国立ガン研究センターが9万人以上を対象に行なった『大豆食品の摂取量と、すい臓ガン罹患との関連』を調査したコホート研究で、『大豆食品―とくに豆腐を多く食べている人は、すい臓ガンになりやすい』と発表しています。つまり、大豆はすい臓を悪くするのです。大豆製品にはイソフラボンも多いので、乳ガンのリスクも高くなります。

「肉より魚のほうが健康的」とは限りません。魚を毎日毎食、食べているとDHAやEPAの摂りすぎになります。すると出血したらなかなか血が止まらず、大量に失血することになります。また、魚には微量ですが水銀やダイオキシンも含まれています。

ダイオキシンの毒性はフグ毒の約10倍、青酸カリの1万倍、サリンの10倍以上で、たった2gで約2万人が死ぬため「地上最強の毒物」といわれています。体内に取り込まれるダイオキシンの9割以上は食物によるもので、その食物の6割は魚介類です。したがって毎日魚ばかり食べていると、ダイオキシンが体内に蓄積していきます。体内に蓄積されたダイオキシンは催奇形性や発ガン性があり、免疫を狂わせます。だからといって、魚を一切食べないほうがいいというわけではありませんが…。魚は、週に1~2回食べれば十分なのです。

 

何事も改善したければ、まず常識を見直すことです。

高血糖や糖尿病を改善するには、『ブドウ糖の貯蔵タンクである筋肉を増やす』ことが大事です。それには、ご飯をしっかり食べて低血糖による「糖新生」を防がないといけません。また、肉や魚や卵などからタンパク質を十分に摂ることも重要です。

さらに、筋肉に蓄えたブドウ糖を消費することです。つまり、『運動しないといけない』のです。できれば食事の前に運動して、筋肉に蓄えたブドウ糖を消費してから食べることです。そうすれば、食後に血糖値が上がりにくくなります。そして運動を続けていけば、筋肉細胞のブドウ糖輸送体(GLUT-4)が増えていき、血糖値が上がりにくい身体になるのです。

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