歯の『水銀』が万病を引きおこす

アマルガムから出る水銀蒸気が、体内に吸収されていく

頻繁におきる胸痛や動悸、頻脈や不整脈、胃の痛みや膨満感、腰や膝や肩の関節痛、皮膚の発疹やかゆみ、高血糖や肥満、強い倦怠感や不眠、めまいや耳鳴り、手足の震えやマヒなどといった症状のいくつかに悩まされていたら、あなたは水銀中毒かもしれません。金属で覆われた歯の内部には、大抵「アマルガム」と呼ばれる水銀化合物が詰められています。

アマルガムは混合物という意味で、水銀をはじめ、銀や銅、スズ、亜鉛などで構成されています。

アマルガムの50%を占める水銀は、噛む圧力、歯磨きの摩擦、熱い飲料(高温)、酢やクエン酸やビタミンCなどの酸などによって蒸発します。また、かぶせ物(金属歯冠)やブリッジやブレース(歯列矯正器具)として使われているニッケルは、マイナス電流を発生して、アマルガムの水銀の蒸発を促します。

水銀は常温で唯一液体の金属で、0℃でも蒸発します。水銀蒸気は、口内や腸内の細菌によってメチル水銀(「水俣病」の原因物質)に変化して鼻や喉や肺から血液に入り、全身すべての器官や組織に吸収されて蓄積していきます。蒸発して体内に吸収されていくことによって、アマルガムの水銀は10年で平均73%減少することが明らかになっています。(Pleva, J.(1983) Mercury Poisoning from Dental Amalgam. Journal of Orthomol.,12,3,184-193.)

 

水銀が引きおこす症状

水銀が脳に蓄積すると、ブレインフォグやうつ病、不眠や不安神経症、てんかんや認知症などといった症状がおきます。

水銀が心臓に蓄積すると、心筋や心臓弁や冠動脈が損傷して、胸痛や動悸や頻脈、不整脈や高血圧といった症状がおきます。

水銀はヘモグロビンにも結合して、酸素の運搬能を低下させます。それによって全身が酸欠となるため、疲労感や倦怠感が強くなります。

水銀は、脳から内臓に司令を伝える神経伝達物質:アセチルコリンの働きを妨げます。すると胃腸の動きが悪くなって、胃の痛みや膨満や便秘といった症状がおきます。

アセチルコリンは脳から筋肉に運動司令を伝える働きもしていますから、筋肉をコントロールできなくなると手足が震えるようになります。

水銀はインスリンにも結合して、血液中のブドウ糖が細胞に入る働きを妨げます。そのため高血糖になり、糖尿病になります。

水銀はコレステロールにも結合します。コレステロールは神経や細胞膜をつくる材料ですが、水銀が結合するとその働きができなくなります。するとコレステロールの機能不全を補うために、コレステロールが多くつくられるため、コレステロール値が高くなります。

細胞膜に水銀があると、その細胞を免疫が攻撃します。その結果、鼻炎や喘息や皮膚炎や掌蹠膿疱症といったアレルギー症状、あるいは関節リウマチや多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症や視神経炎、橋本病やエリテマトーデス、潰瘍性大腸炎やクローン病などといった自己免疫疾患を引きおこします。

水銀は、アテローム性動脈硬化の原因となる酵素(ホスホリパーゼD)を活性化させて、動脈硬化を引きおこします。また水銀は血管壁にも侵入して、血管壁を脆くします。そこに高い血圧がかかると、弱い部分が瘤のように腫れて「動脈瘤」ができます。

水銀は、肥満も誘発します。水銀は甲状腺ホルモンにも結合して、甲状腺ホルモンの働きを妨げます。すると基礎代謝が低下して、低体温になります。その結果、カロリー消費量が減って肥満になります。

水銀は、胎盤を通じて胎児にも伝わります。胎児の遺伝子に損傷を与えるのは水銀だけでなく、銅、スズ、亜鉛も心身障害児を生み出す恐れがあります。その結果、アトピーや自閉症児や口蓋裂児の出産リスクが高まります。また母親の歯にアマルガムがあると、母乳にも水銀が含まれています。さらに生後何度も接種されるワクチンにも、防腐剤として水銀が入っています。

水銀中毒か確認するには?

水銀中毒かどうかを確認するもっとも信頼できる方法は、尿検査でポルフィリンを測定することです。もしポルフィリン値が高ければ、水銀中毒と判断できます。

ちなみに毛髪検査で水銀が少ない場合は、「水銀の排出力が弱い」ということで、体内には水銀がかなり存在することを意味しています。

アマルガムを安全に除去するために

日本ではアマルガムは2016年4月から使われなくなりましたが、それ以前に詰められた人はたくさんいるでしょう。

アマルガムをノンメタル素材に交換してくれる歯科はこの20年でかなり増えましたが、除去する際に水銀を吸い込まないように厳重な設備を備えているクリニックはまだまだ少ないのが現状です。

アマルガムを安全に除去するには、歯科医は防毒マスクを付けて、患者の口内は(アマルガムを除去する歯以外は)ラバーダムでしっかり覆って、全身を水銀から守るエプロンをかけて、吸引機の排気が野外に排出されるようになっていることが望ましいでしょう。

 

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