野菜を食べるほど「腸」が悪くなる

「肉を食べると、血液が酸性になる。だから肉の3倍野菜を食べて、血液をアルカリ性にすることが大事」―これは50年前の間違った常識で、今は「何を食べても血液のpHは変わらない」ことが明らかになっています。肉を食べても血液は酸性にはなりませんし、野菜を食べても血液がアルカリ性になるわけではないのです。

野菜には食物繊維が豊富で、「食物繊維が腸内環境を改善する」と言われていますが、本当でしょうか?

食物繊維でお腹が膨満する

人間は食物繊維の消化酵素を出せないので、食物繊維は消化できません。消化できないものは、腸内細菌が食べて分解します。すると、発酵してガスが出ます。その結果、お腹が膨満して腹痛や便秘になるのです。チューブの中身を出すには、チューブを押しつぶす必要があります。大腸も同じで、便を出すには大腸を縮める必要があります。ところが大腸がガスで膨満していたら、縮めることができません。だから便秘になるのです。

また、ガスで膨満した横行結腸が横隔膜を押し上げるため、息が吸いにくくなります。酸素が十分に吸えないと酸欠になって、頭痛がしたり眠気やだるさに襲われたりすることになります。

食物繊維で、頭痛やうつ病になる

膨満だけではありません。食物繊維を食べるのは、主に乳酸菌です。乳酸菌は「乳酸」を生成します。乳酸は、身体の中のもっとも硬い組織である歯のエナメル質さえ溶かしてしまうほど強力な酸です。そんな強い酸が胃腸内で生成されたら、胃腸の粘膜はどうなるでしょうか? 当然ただれて、胃腸炎や大腸炎(下痢)になり、リーキーガットになります。

リーキーガットになると、腸の粘膜から未消化なタンパク質や腸内細菌が血液に侵入します。すると腸の免疫細胞が、それらを排除するために攻撃して炎症がおきます。その結果、炎症性サイトカインが増えます。炎症性サイトカインは「炎症をおこせ!」というメッセージ物質です。「炎症をおこせ!」というメッセージが血液によって全身の免疫細胞に伝わると、身体中で炎症がおきやすくなり、どんな炎症でも炎症性サイトカインによって症状が悪化します。

炎症性サイトカインが脳に流入すると、脳内炎症がおきやすくなります。そして脳内炎症によって、頭痛やうつ病やパニック障害になります

このように食物繊維を摂ることで、腸内に乳酸菌が増殖して、乳酸菌が生成する乳酸によって胃腸が悪くなります。さらに、乳酸が血液に吸収されると酸性(乳酸アシドーシス)になって、乳酸が全身を循環します。エナメル質さえ溶かしてしまうほど強力な酸が血液に入って全身に循環するのですから、神経もかなりダメージを受けるでしょう。その結果、ブレインフォグや頭痛になり、腰痛や神経痛が悪化するのです。骨より硬いエナメル質が溶けるくらいですから当然、椎間板や軟骨も溶けるでしょう。その結果、足腰が変形していきます。

実際、うつ病やパニック障害や不眠や足腰の変形性関節症などで悩んでいる人たちは、ほぼ例外なく野菜を大量に食べています。野菜だけでなく、豆(豆腐・豆乳・キナコ・プロティン・煮豆など)や芋やキノコや雑穀などもたくさん食べています。

しかし、それが逆効果になっているとは気づきません。「食物繊維が腸内環境を良くする」というデタラメ説に洗脳されているからです。この洗脳を解くのは、容易ではありません。

食物繊維で便秘になる

「食物繊維を摂らないと便秘になる」という説もウソで、反対に食物繊維を摂らないことで便秘が改善するのです。

シンガポールで行なわれた腹痛と便秘の患者に行なわれた実験で、高繊維食・低繊維食・食物繊維ゼロの3グループに分けて半年後、「食物繊維ゼログループだけが腹痛も便秘も完全に消失した」という結果が出ています。[1]

食物繊維を摂っても大腸ガンは防げない

「食物繊維が大腸ガンを防ぐ」という説もウソです。

そもそも食物繊維が良いと言われるようになったのは、英国の医師であるデニス・パーソンズ・バーキットが「食物繊維が大腸ガンを防ぐ」と提唱したことによります。

バーキット医師は宣教師としてアフリカのウガンダに渡って、住民の生活をよく観察しました。そして、アフリカの排便回数が多い民族に大腸ガンが少ないことに気づいて、「食物繊維が多い食事によって排便が多くなり、腸がキレイになるからだ」と考えたのです。

ところが後になって、「ウガンダに大腸ガンが少ないのは、食物繊維が多い食事のせいではなく、寿命が短かったからだ」と判明しました。ほとんどの人は、ガンになる前に亡くなっていたのです。

その後、「大腸ガンの予防と食物繊維は無関係である」という研究結果が続々と出ています。

大腸ポリープと診断された男女約2000人を対象とした研究で「高繊維食を8年間続けても、大腸ガンの予防効果はなかった」と発表されています。[2]

国立ガン研究センターも2005年、約9万人を対象に行なった疫学調査で「野菜や果物をたくさん食べても、大腸ガンは防げない」と発表しています。[3]

大腸ガンの多くは大腸ポリープから発生しますが、2017年、中国とスウェーデンの研究で、「食物繊維を増やしても大腸ポリープの再発を防げなかった」と発表されています。[4]

いくら食物繊維を摂っても、大腸ガンも大腸ポリープも防げないのです。

 

[1] Ho, K.(2012). Stopping or reducing dietary fiber intake reduces constipation and its associated symptoms. World Journal of Gastroenterology. 18(33). 4593. doi:10.3748/wjg.v18.i33.4593

[2] Lanza, E, at al. The polyp prevention trial continued follow-up study; No effect of a low-fat, high-fiber, high-fruit, and-vegetable diet on adenoma recurrence eight years after randomization. Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention. 16(9), 1745-1752. doi:10.1158/1055-9965.epi-07-0127

[3] Tsubono Y, et al. Br J Cancer. 2005;92:1782-1784

[4] Yao Y, et al. Cochrane Database Syst Re. 2017;(1):CD003430

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