ピロリ菌を除菌すると、胃ガンになりやすくなる

「ピロリ菌は胃潰瘍や胃ガンの原因となるから、除菌したほうがいい」と言われています。この説は正しいのでしょうか?

ピロリ菌に関する最新の情報によると、どうやら間違いのようです。

ピロリ菌はアレルギーを抑制する

ピロリ菌研究の第一人者である元ニューヨーク大学の微生物学教授、現ラトガース大学先端バイオテクノロジー・医学センター長のマーティン・ブレイン博士は、長年ピロリ菌を研究し、『ピロリ菌には逆流性食道炎や食道腺ガン、喘息や皮膚炎や花粉症などを抑える働きがある』ことを突き止めました。マーティン博士によると、「ピロリ菌がいることによって胃のTレグ(制御性T細胞)が免疫を抑制して、アレルギー反応を抑制するからだ」ということです。

 

ピロリ菌を除菌すると、逆流性食道炎になりやすい

ところがベイラー大学のグラハム教授らが、「ピロリ菌を除菌すれば胃ガンの発生を防げる」という仮説を立て、「ピロリ菌を除菌すれば、胃ガンによる死亡者は年間3万人に激減する」と提唱して、日本でピロリ菌除菌が保険適用になりました。しかし、それから5年以上たっても、胃ガンの患者数は減少するどころか逆に増加の一途をたどっています。

2013年に『ピロリ菌を除菌すると、逆流性食道炎の発生率が4倍に増加する』と報告され、2019年に『逆流性食道炎の薬(PPI)によって、胃ガンの発生率が7~10倍増加する』というベルギー、英国、スウェーデンの共同研究が報告されました。

実は、ピロリ菌感染率と胃ガンの罹患率には相関性がありません。例えばインドのピロリ菌感染率は75%以上で日本よりはるかに高いにもかかわらず、胃ガンの罹患率は日本が7倍も高いのです。

 

胃ガンの真犯人は、塩と乳酸菌だった!

では、胃ガンのリスクを高めるのは何なのでしょうか?

ピロリ菌の遺伝子は20株に分類され、すべてのピロリ菌が同じ病原性を持っているわけではありません。胃ガンの発症に関与する細胞毒関連遺伝子A(CagA(キャゲイ))というタンパクがあるピロリ菌(CagA陽性ピロリ菌)が胃の粘膜を傷つけて、遺伝子DNAに損傷を与えて発ガンを促します。CagA陽性ピロリ菌は、高塩分食で増えます。つまり、塩分の摂取量が多いほど胃ガンになりやすくなるのです。英国は、ピロリ菌の除菌をしなくても、減塩だけで胃ガンの発症数を2003年から10年間で40%も減少させました!

一方、2006年、遺伝子解析で人の胃から128種の細菌が見つかり、2009年にスウェーデンの研究で『ピロリ菌がいなくなった胃のなかには、乳酸菌(乳酸桿菌と連鎖球菌)とベイロネラ菌とプレボテラ菌が増えている』ことが明らかになりました。

2019年、オーストラリアで『胃ガンがある胃粘膜には一貫して乳酸菌が多い』と発表され、2022年、韓国で『乳酸桿菌とベイロネラ菌が胃ガンで増加している』と発表されました。

乳酸桿菌は、糖から乳酸をつくります。その乳酸をベイロネラ菌が、酢酸やプロピオン酸に変えます。またベイロネラ菌は、亜硝酸塩を胃に蓄積させます。

乳酸は、体液を酸性にしてガンの増殖を促します。プロピオン酸は脳に炎症をおこしたり、神経の発達を阻害したりして、うつ病や自閉症を引きおこします。またハムやソーセージなどの加工肉に含まれる「亜硝酸塩」と、ホウレン草や小松菜やチンゲン菜や春菊や青汁などに含まれる「硝酸体窒素」は、胃のなかで発ガン性物質の「ニトロソアミン」に変化して、胃炎や胃ガンや大腸ガンの原因となります。

つまり、塩と乳酸菌が胃ガンのリスクを高めるのです。塩と乳酸菌といえば「漬物」ですね! 胃ガンになりたくなれば、まず漬物を減らすことです。ヨーグルトも食べないほうがいいです。また、亜硝酸塩や硝酸体窒素を含む食品もできるだけ摂らないほうがいいでしょう。

 

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