咳・痰・喘息を解消する秘訣

風邪や肺炎でもないのに、咳や痰が出続けるのは、なぜでしょうか?

また、喘息の発作(気管支炎)がおきるのは、なぜでしょうか?

根本原因は、「腸内ガス」にあるのです。

 

咳や痰の根本原因は「腸」にある!

咳や痰が出るときや喘息の発作のとき、自律神経は「副交感神経」が強く働いています。ですから、リラックスすると症状が悪化します。

これらの症状は「気管支拡張剤」を使うと、すぐに楽になります。気管支拡張剤はステロイド剤かアドレナリン剤で、どちらも交感神経を緊張させる作用があります。つまり、咳や痰や喘息は「副交感神経の症状」なので、『交感神経の働きを強めれば治る』ということです。

副交感神経が働くと免疫が活性化して、炎症がおきやすくなるのです。

反対に、交感神経が働くと免疫が抑制されて、炎症が抑えられるのです。

 

なぜ、副交感神経が強く働いてしまうのでしょうか?

その原因は、「腸」にあるのです。

過剰な腸内ガスによって副交感神経が強く働いて、咳や痰が出るようになってしまうのです。これは、アメリカの胃腸病専門医:Norman Robillard博士によって証明されています。どういうことか、順に説明していきましょう。

腸で過剰にガスが発生すると、腸が膨満します。腸が膨満していると、脳は「食後でお腹がいっぱい」と判断して、副交感神経を強く働かせます。

そして、小腸で発生したガスは、胃に逆流してきます。胃に流入したガスは、ゲップとともに排出されますが、この際に腸内細菌も一緒に移動してしまいます。つまり腸内細菌が、ガスとともに胃→食道と移動してしまうのです。そして食道からさらに気管支に入り込んでしまうと炎症がおきて、咳や痰が出るのです。そして、その炎症が悪化すると、喘息になるのです。

また、ガスは大腸でも大量に発生しますが、横行結腸の部分にガスがたまると、横隔膜が十分に下がらなくなるため、息が吸いにくくなります。そのため、いつも呼吸が浅いままになります。

このように、すべての根源は「過剰な腸内ガス」にあるのです。

 

腸内ガスを発生させる5つの食品成分

Norman博士は、腸内ガスを発生させる食品成分が次の5つであることを証明しています。

 

①乳糖

②果糖

③難消化性デンプン

④食物繊維

⑤人工甘味料

 

これらはすべて「小腸で消化できない成分」です。消化できない成分は、腸内細菌が食べて分解します。すると発酵して、ガスが出るのです。こういった消化できない成分をたくさん食べ続けていると、腸内細菌がどんどん増殖して、ますますガスが大量に発生するようになってしまいます。

ですから、この5つの成分の摂取量をできるだけ減らすことが重要なのです。それには、これらの成分がどんな食品に入っているのか知っておくこと必要があります。

 

乳糖は牛乳に含まれている糖分で、牛乳をはじめチーズやヨーグルト、ホイップクリームやアイスクリームなどに含まれています。

 

果糖は果物に含まれている糖分で、果物や果汁をはじめ、果糖ブドウ糖液糖が入ったドリンク類に多く含まれています。砂糖はブドウ糖と果糖が一分子ずつ結合したものですから、半分は果糖です。黒砂糖でも同じです。ちなみに三温糖は、白砂糖よりさらにもう一段階精製した糖で、茶色は単に焦げた色です。

 

難消化性デンプンは「レジスタント・スターチ」とも言われ、生の米や芋をはじめ、タピオカ(キャッサバ粉)などに含まれる糖質です。生のデンプンは、まったく消化されません。玄米も消化が悪いので、難消化性デンプンです。

お米のデンプンは、アミロースとアミロペクチンで構成されています。アミロースとアミロペクチンは「ブドウ糖のつながり方」の違いで、アミロースは消化されにくく、アミロペクチンは消化されやすいといった特徴があります。

したがって、アミロースの比率が多いお米は消化されにくく、ガスが多く発生します。アミロースは、タイ米などの長米種に多く含まれています。

一方、アミロペクチンの比率が多いお米は消化されやすく、ガスの発生が少ないです。

通常、私たち日本人が食べているコシヒカリをはじめとする多くの品種は、アミロースが少なく、アミロペクチンが多いお米です。ですから、日本のご飯はガスの発生が少ないのです。ちなみに、モチ米のデンプンは100%アミロペクチンです。

 

食物繊維は、「不溶性の食物繊維」と「水溶性の食物繊維」に大別されます。

不溶性の食物繊維(セルロースなど)は、野菜や豆類、雑穀類などに多く含まれています。便の量を増やしますが、便が硬くなります。

水溶性の食物繊維(ペクチンやアルギン酸など)は、果物や海藻に多く含まれています。便の水分量を増やして、便を柔らかくします。

一般的に「食物繊維は腸に良い」と言われていますが、実は、食物繊維を多く摂るほど腸内ガスがたくさん発生してお腹が張ってしまい、腹痛や便秘や下痢などの原因になるのです。とりわけ不溶性の食物繊維は便を硬くしますので、便秘を悪化させて痔の原因にもなります。

ですから、不溶性の食物繊維が多く含まれる食品は控えるほうがいいのです。

例えば、玉ネギやゴボウやレンコン、キノコ類や竹の子、コンニャクやサツマイモや里芋や山芋などといった食品です。

果物にはペクチンが含まれていますが、果糖も多く含まれているので、あまりたくさんは食べないほうがよいでしょう。

海藻にはアルギン酸やフコイダンというネバネバ成分が含まれていますので、海苔やワカメ、ヒジキやメカブやモズクやアカモクなどは毎日摂るとよいでしょう。ただし、昆布を摂り続けるとヨードの過剰になって甲状腺が悪くなる恐れがありますので、毎日は食べないようにしましょう。

 

人工甘味料は、アセスルファムカリウムやアスパルテームをはじめ、キシリトース、マルチトース、ソルビトール、マンニトール、ポリデキストロース、スクラロース、イソマルトなどといった糖です。これらは砂糖よりはるかに甘いですが、消化されないため血糖値は上がりません。しかし、腸内細菌によって分解されてガスを発生します。

これらの人工甘味料は、「糖質ゼロ」や「糖質オフ」を謳った炭酸飲料やビール、ダイエット食品、フリスクなどに使われています。

 

以上、腸内ガスを発生させる5つの成分を解説しました。

これらの成分をできるだけ控えて腸内ガスを減らしていけば、徐々に咳や痰が出なくなっていき、喘息の発作も減っていきます。

 

 

「首」をゆるめれば、呼吸が楽になる!

咳や痰、喘息などの症状がある方は、共通して「首」が緊張して硬くなっています。とくに首の両サイドにある「胸鎖乳突筋」が硬くなっています。

胸鎖乳突筋は、耳の後ろ(乳様突起)から胸骨と鎖骨にかけて付いている筋肉で、この筋肉の奥に、頚動脈と頚静脈と「迷走神経」が並んで通っています。

迷走神経は、肺や気管支を含む内臓全体をコントロールしている副交感神経です。

はじめに解説したように、咳や痰や喘息は「副交感神経の症状」ですから、迷走神経が強く緊張しています。

 

胸鎖乳突筋をゆるめると、迷走神経もゆるみます

しかし、胸鎖乳突筋を押したり揉んだりすると、もみ返しでかえって硬くなり首が痛くなってしまいます。また、筋肉内の微細な血管が破れて内出血するため、「血栓」ができます。そのため、脳梗塞や心筋梗塞の原因になる恐れがあります。ですから、絶対に首を押したり揉んだりしてはいけません!

では、どうすればよいのか?

大胸筋をゆるめればいいのです。大胸筋をオイルマッサージでゆるめれば、自ずと胸鎖乳突筋もゆるんで首が楽になるのです。すると、迷走神経がゆるんで副交感神経の緊張が抑えられて、気管支の炎症が鎮まって呼吸がとても楽になります。

 

こうして首(胸鎖乳突筋)をゆるめても、何日かするとまた硬くなってしまいます。なぜ硬くなるのかというと、手を使って色々な作業をしているからです。また、(無意識に)噛みしめているからです。手を使うほど、また噛みしめることが多いほど、首が硬くなるのです。

とはいっても、まったく手を使わずに生活も仕事もできませんし、噛みしめをなくすこともできません。ですから、『定期的に首をゆるめる』ことが必要なのです。

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